胎蔵界曼陀羅とは、大悲胎蔵曼陀羅といい、菩提心、大悲、方便という
大日如来に完全に具わっている仏の真実のあり方を図にしたものです。
生命の誕生が母胎に生を宿すことから始まり、肉体を形作り誕生するように、
菩提心を宿す者が、次第に大悲を育むことが「大悲胎蔵」であり、
誕生者が学習により様々な活動行なうように、
大悲を成育させた者が衆生を救済する生命活動(方便)を展開し、
生を満足させるのが「生曼陀羅」です。
胎蔵界曼陀羅とは、母胎を意味し、仏の真実が、あたかも母親の胎内に蔵され、
やがて時を得て出産するような、実在の世界像を表してます。
金剛界が「智」に対して「理」の表現と言えます。