天光寺の体験修行を経験して

 私が天光寺の体験修行に訪れた理由は自分を見つめなおしたい、自分を変えるきっかけをつくりたいと考えたからだ。

 普段から私は、何かの誘惑に負けてしまい、すずに楽な道に逃げていた。また、他人の前では常におどおどしていて、人前で堂々とすることが出来なかった。私はそのような性格が大嫌いで、日々自分の納得できる生き方をしていなかったのだ。

 大学受験を終えて落ち着いた時期に「自分を変えることができるのは今しかない」と考えた私はその方法を探した。そしてたどり着いたのがお寺での修行だ。しかし一般の人が短期間での修行をすることが可能なお寺はほとんどなく、私が調べた中で天光寺が唯一体験修行という形で申し込むことができた。

 一月に参加することが決まった私は天光寺について調べ始めた。その結果、東京都とは思えない自然が豊かな場所にあることや、私も参加する体験修行には毎年何千人もの人が参加することが分かった。いろいろ調べていくうちに、私は自分が変わるきっかけを得られるのではないかと言う期待と、一月という寒い時期に3日間も自分は耐えられるのかという不安が同時に大きくなっていった。

 ついに出発の朝を迎えると、期待や不安が融合した緊張が自身を襲った。天光寺の最寄りのバス停に到着すると自分の地元よりも低い気温に気づいた。同じ東京都なのに圧倒的な気温差に驚かされた。この寒い中での滝行をするのか、と考えると正直ものすごく怖くなった。

 無事天光寺の体験修行に参加し、今、私は初日を終えようとしているが、一日目だけで多くのことを学べたと感じている。特にお寺で修行することが初めてな私にとって学ぶことのほとんどが新鮮であるため収穫が大きいと思っている。その中でも最も印象に残っているのは、やはり滝行だ。決して甘く見ていたつもりはないが、ここまで厳しいものだとは思っていなかった。今まで感じたことのないような寒さ、冷たさに加えて、ものすごい圧力が自分に降ってきていた。この滝行を通じて私が持った第一の感想は「滝行ヤバイ」だが、それ以上に自分の心の弱さ、根性の無さが印象に残っている。私にとっての極限状態の中で、自分があんなにも逃げようとするとは思っていなかった。本当に苦しい時に本当の自分が分かるとよく言われるが、今回の滝行で本当に弱い自分を改めて自覚させられた。これもまた私にとって大きな収穫の一つだと思う。

 残りの体験修行の機関の中でも、こういった収穫を増やしていき、自分を変えることにつなげていきたい。